亡くなられた方の遺品。
いいかげんに片付けたり処分していかなければ、と思っていても、なかなか手が付けられないという方は少なくありません。
あなたはいかがでしょうか?
私も経験がありますが、気持ちの上では、ある程度整理がついたつもりでも、なかなか進まなかったのが遺品の処分です。
そこには、寂しさだったり、処分することに対して後ろめたさだったり、そうした気持ちの問題があるのだと思います。
また、現実的な問題として、自分達の日常生活プラスの作業であるため、なかなか思うように時間が取れないという理由もありました。
遺品の処分にあたり、できるだけスムーズに進めたいと思っているあなたに、少しでも後悔しない進め方を解説していきたいと思います。
この記事で分ること
・遺品の処分は前向きに考えられるということ
・遺品の片付けや処分にはコツがあるということ
・遺品処分を業者さんに頼むコツとは
・遺品の活かし方
>こちらもよく読まれています。遺品整理の費用について
1.前向きに考えよう。遺品の処分は気持ちの整理。

大切なご家族が亡くなられ、寂しさや辛さが残る中ですが、故人の物は徐々に片付けていかなければいけません。
もし、故人が賃貸住宅に住んでたのであれば、徐々に、なんて言っていられない方もいらっしゃると思います。
しかし、大切な方の思い出が詰まった物や、大切にされていた物を処分するのは、本当に辛いことですし、
「捨ててしまって良いの?」
と心配される方も多いと思います。
仏壇や神棚などは、処分してしまったら罰が当たるんじゃないか?なんて心配もありますよね。
でも、一番大切なのは、あなたやあなたの家族のこれからです。
もし私が先に旅立つとしたら、残していく家族が幸せに生きていってくれることを一番に願います。
きっとあなたもそうですよね?
遺品の整理や処分は、ちょっと寂しい気持ちにもなりますが、ずっとそのままにしておけれる訳でもなく、また、そうした物が残れさていることで、気持ちの整理がいつまでも付かない原因にもなるのです。
なかなか遺品の整理や処分にてがつけられない場合は、
あなたがもし先に旅立つなら、残された家族にどうなって欲しいか?
この目線で考えてみてはいかがでしょう。
きっと、1日も早く前を向いて、幸せに生きていって欲しいと願うのだと思います。
遺品の整理は気持ちの整理です!
いつかはやらなければいけない遺品整理です。あなたが前を向いて行くために、思い切って進めていきましょう!
それが、故人も望むことなのです。
2.寂しくてできない?遺品の処分の2のコツとは

遺品の整理は気持ちの整理。
そうは言ってもやっぱり寂しい部分はなかなか拭えないと思います。
そんなあなたに遺品を処分していく2つのコツをお教えします。
遺品処分をすすめるコツ①

遺品の処分は、まず「本当に不要な物から処分していく」ということです。
例えば、古新聞や古雑誌。
ほぼ絶対に必要ありませんよね?
また、使いかけの調味料や、賞味期限切れの保存食なども残す必要のない物だと思います。
そうした「思い出」の物や「貴重品」でない物から、順番に処分していくと良いでしょう。
人が生活していると、思っている以上に大量にモノがあるものです。
まずは、明らかに不要と思われる物から整理を進めていくことが、遺品の整理・処分の第一歩なのです。
遺品処分をすすめるコツ②

大切な物や思い入れのある遺品は、自分自身でもらっておいたり、形見分けをする。
遺品の処分を進めていく中で、やはり大切な物や思い入れ、思い出深い物が出てくると思います。
そうした品については、早い段階で自分がもらう事にしたり、他の家族に形見分けとしてもらってもらいましょう。
そうすることで、「大切な物はちゃんと皆に引き継いでもらった」という気持ちの区切りがつきます。
気持ちの区切りが付くことで、その後の遺品処分を進めていくことができるでしょう。
3.遺品の処分は、ゴミ屋さんには任せてはダメ

遺品の処分を進めていこうと思ったとき、多くの方がつまづくポイントがあります。
「めちゃくちゃ物があって大変過ぎる」
「いったいいつ終わるのか見当もつかない」
「やらなきゃとは思うけど時間がなくてなかなかできない」
「小物はどうにか自分でもできるけど、大型の家具や家電はどうしよう?」
あなたもそんなふうに思っていませんか?
大丈夫です。あなただけではありません。
ハッキリ言って、ほとんどの方が同じ思いをされています。
そこで、「業者さんに頼もうか?」と思い立つ方も多いのです。
でも、ちょっと待ってください。
一見、ほとんど不要品と思える遺品でも、ゴミ屋さん、つまり不要品回収業者さんに任せることはお勧めできません。
理由は次の通りです。
・全部処分して良いと思っていても、片付けていく中で取っておきたい物が必ず出てくるから。
・ゴミ屋さんは効率とスピード重視なので、丁寧な作業は望めない。そのため、大切な物も処分してしまったり、破損してしまうケースが多い。
こうした事がありますので、よほど信頼のおけるゴミ屋さんや不要品回収業者さんでなければ、依頼しない方が良いでしょう。
遺品整理は、専門の業者さんがいますので、必ず遺品整理専門業者さんにお願いすることをお勧めします。
しかし、遺品整理業者さんに遺品の処分をお願いすることにも注意点はありますので、次の項で解説していきます。
4.悪徳業者も多い?遺品処分を業者さんに依頼する時の注意点
遺品整理業者さんは近年非常に増加しており、多くの業者さんがいらっしゃいます。
しかし、不要品回収業者さんや、産廃業者さんが片手間にやっているケースも多く、中にはそうした事業を行うのに必要な免許や許可を持っていない業者もあります。
トラブルの一例をご紹介します。

Oさん
遺品整理を業者さんにお願いしたら、最初の見積りで60万円と言われた。でも、相場が分からないのでそのまま依頼したら、最終的には「処分品が増えた。作業時間が余分にかかった。」などと言われ、80万円以上の請求がきました。

Hさん
母の形見で残しておく予定だった指輪とネックレスが無くなりました。確かにあったはずなのですが、本当にあったかどうかの証拠も提示できないのため、泣き寝入りです。

Aさん
不要品回収業者さんに依頼しましたら、本当にめちゃくちゃな扱いをされて、悲しくなりました。処分するものとはいえ、二階から投げ捨てたり足で蹴っ飛ばしたりされて、やるせない気持ちでいっぱいです。業者はちゃんと厳選するべきでした。

Mさん
遺品処分をお願いした時に、価値のあるものは残してほしいと依頼していましたが、「全部値段は付かないですね」と言われて全て処分してもらいました。しかし、後日幼馴染の友人から「お父さんのアレはどうしたの?結構な価値のある物だよ」と言われて大変ショックでした。
そこで、遺品の整理や処分を業者さんにお願いするにあたり、気を付けてほいポイントをご紹介しておきます。
①見積りをしっかり提示してくれること

一言に遺品の処分や整理と言っても、家の広さ、家財道具の量は人によって全く異なります。
また、価値のある遺品については買い取りをして頂ける業者さんも多く、実際の作業費用と相殺できることもあります。
そのためには、しっかりとした見積りを出していただくことが欠かせません。
②必要な許可や資格を有していること

遺品整理の業務には、一般的には一般廃棄物収集運搬許可証を持っているか、持っている業者へ委託が必要です。
また、遺品の買い取りには古物商許可証が必要となります。
また、民間資格ではありますが、遺品整理士という資格を持っていることも、遺品整理の適切な知識などを持っているかという基準になります。
③清潔感や誠実な感じを受けるか

ごくごく当たり前の話かもしれませんが、やはり仕事に向き合っている姿勢というのは、外見から見て取れるものです。
もちろん、人は見た目ではない部分もありますが、良く知らない複数の業者さんから選ぶ時には、見た目の清潔感や誠実そうな感じなど、第一印象は大切にした方が良いでしょう。
他にも細かな注意点はいくつかありますが、まずは前述の3項目は一番重要なポイントとして抑えておいてください。
5.遺品の処分はいくらかかるの?

遺品整理業者さんを依頼する時の注意点はご理解いただけたと思いますが、やはり心配なのは遺品の処分にはいくらかかるのか?という点だと思います。
遺品整理業者さんの業務内容とは
遺品の処分や整理にかかる料金について相場を解説する前に、遺品整理業者さんがやってくれる業務内容をご紹介します。
お願いする業者さんによって内容が違ったり、また、一部だけ依頼することもできますが、一般的には次の4項目が遺品整理業者さんの仕事になります。
①見積り
②遺品の整理
③遺品の搬出
④遺品の処分または買い取り
⑤清掃
遺品の処分や整理にかかる費用の相場とは
遺品の処分や整理は、家の広さ、遺品の量、作業性(トラックが付けられるか?平屋か2階建て以上か?)などによって異なります。
当然ですが、広ければ広いだけ遺品の物量が多いことが一般的ですし、平屋より2階建ての方が作業は困難で時間がかかります。

また、搬出用のトラックが家のそばに着けられるかどうかも作業時間に大きく影響します。
そうした様々な要因で料金が変わってきますので、下記の表は参考程度にご覧いただきたいと思います。
部屋数 | 作業に必要な人数 | 所要時間 | 料金相場 |
1部屋 | 1~2人 | 1~3時間 | 30,000円~80,000円 |
2部屋 | 2~3人 | 2~4時間 | 50,000円~130,000円 |
3部屋 | 2~4人 | 2~6時間 | 80,000円~220,000円 |
4~5部屋 | 3~6人 | 3~8時間 | 120,000円~400,000円 |
6部屋以上 | 4~10人 | 5時間以上 | 200,000円以上 |
一般的なケースでは、15万円~25万円くらいがよくある金額帯と言えます。
繰り返しになりますが、家の大きさや遺品の量によって異なりますので参考までとしてくださいね。
また、いわゆるゴミ屋敷と言える状態や、特殊なお亡くなりの状態で、特殊清掃と呼ばれる類のケースでは、その状態に応じて料金が異なります。
6.遺品整理の相場を高いと思った方へ

前述した遺品整理の相場料金を高いと思われ方もいらっしゃると思います。
でも、ちょっと待ってください。
本当に高いでしょうか?
例えば、一般的な生活をされていた家の家財道具一式を全て処分するとなった場合、家財が少なめのお宅でも2t~3tのトラックが2~3台分くらいの物量にはなります。
一軒家であれば、その倍くらいの量になるケースも珍しくありません!
普通免許で借りられる2tトラックのレンタル料金は24時間で9,000円~10,000円です。
なんだ、それくらいなら、と思われる方もいらっしゃいますが、トラックに家財を積み込むと、それを降ろすまで次の荷物を積めないわけですから、一回一回、処分する場所や買い取りしていただくお店まで持っていかなければいけません。
そして、そうして運んでいる時間、現場は作業が進まないのです。
そのため、なかなか1日で全てを終わらせるのは難しく、何日かに渡って作業をする必要が出てくるでしょう。
なにより、それだけの物量の荷物を運び出したりトラックに積み込んだりする作業が、体力的に本当に自分達で可能だろうか?
と考えてみれば…、
なかなかの難易度だと思われると思います。
遺品整理と言ってしまうとちょっとイメージし難いかもしれませんが、引っ越しと考えてみてください。
引っ越しは多くの方が引っ越し屋さんに依頼すると思います。
遺品整理は廃棄や買い取りなどがありますので、それと同等以上の作業量です。
7.遺品の処分を依頼する前に、やっておくべきこと3選

遺品の処分を業者さんに依頼する前に、必ずやっておくことを3つご紹介します。
①相続をどうするか決定しておく
遺品の整理までは良いのですが、処分をすることになると、故人の遺産を単純承認したとみなされることがあります。
相続には、単純承認、限定承認、相続放棄と3種類の方法がありますが、故人に負の遺産があった場合は、プラスの資産の範囲内で相続する限定承認か、全く相続しない相続放棄を選ぶことも考えなければいけません。
もし、そうした限定承認や相続放棄を考えているのであれば、遺品の処分を勝手進めてしまうと不利益になってしまう可能性がありますので注意しましょう。
②遺言書やエンディングノートなどがないか確認する

遺品の処分をするにあたり、どんな物があるのか確認されると思いますが、まずは故人の遺言書やエンディングノートなどがないか確認しましょう。
もしそうしたものがあり、形見分けなど遺品について書かれている内容があれば、それに従って進めていくと良いでしょう。
③貴重品・有価証券・契約書などの確認と保管

遺品整理業者さんにお願いしても、貴重品や有価証券、契約書などといった重要な物は仕訳けして、処分して良いか確認をしてくれますが、多くの家財に取り紛れて見逃してしまう事もないとは言いきれません。
そのため、可能な限り自分達でも事前にそうした物がないか、確認をするようにしましょう。
8.遺品の売却はダメじゃない。価値をツナグ大切さ。

遺品の処分をしていく中で、自分たちは不要だけど、まだまだ価値のある物も出てくるでしょう。
そうした物があった時は、ぜひ遺品整理業者さんや買い取り業者さんに査定していただき、買い取りをしてもらうようにしましょう。
故人の大切な物を勝手売るなんて… と罪悪感を感じる方もいらっしゃいますが、このように考えてはいかがでしょう?
正当な価値を付けていただき、次の大切にしていただける方に繋いでいく。
価値ある遺品を買い取っていただき、次の方に繋いでいくことは故人やあなたの納得感にも繋がるでしょうし、その品にとっても一番良いことです。
一番の供養とも言えるのではないでしょうか。
もちろん、遺品整理にかかる費用の一部を相殺することもできますし、中にはお釣りがくるような買い取り金額になる場合あります。
9.遺品の処分。寄付も考えよう!
遺品の処分をするにあたり、選択肢は廃棄や買い取りだけではありません。
たとえばピアノなどは施設などに寄付すると喜んでいただける事もありますし、ご近所の方にも欲しいと思っていただける方がいるかもしれません。

同様にまだまだ使える家電製品なども、大した買い取り金額にならないなら処分してもらおうと思われるなら、必要としている施設などに寄付する事を検討してみても良いでしょう。
ただし、自分達で運べる程度の物であれば良いのですが、運搬に費用がかかる物や、相手の受け入れとタイミングが合わないこともありますので、双方に負担がかかるようであれば、処分する方向で考えた方が良い場合もあります。
必要とする所に寄付する事はとても素晴らしいことですし、故人の遺品もそうして使ってもらえるならきっと喜んでくれると思いますが、意外と双方の想いが噛み合わない場合も多いのです。
遺品の寄付については、トントン拍子に話が進むなら、くらいに考えておくと気が楽だと思います。
10.お値打ちな優良業者の探し方

ここまで遺品の処分について色々と解説をしてきましたが、遺品の処分を自分達で全部やるのは大変であり、業者さんにお願いすると良いという事がお分かりいただけと思います。
そして一番のポイントは
優良な遺品整理業者さんに依頼することです。
遺品という「ただのゴミ」とは割り切れないものであるからこそ、気持ちよくお願いできる業者さんに依頼したいですよね。
でも、遺品整理は日常的にお願いする事はなく、なかなか良い業者さんを知っている人も周りにはいないことが普通です。
そして、ご紹介してきた通り、中には残念な業者さんがいることも事実です。
そこであなたに絶対にやっていただきたいのが、複数業者さんへの相見積もりです。

少なくとも3社には見積りを依頼してください。
できれば5~8社に見積りを依頼するのが理想です。
でも、実際それだけの業者さんに見積りを依頼するために連絡を取るのも大変ですし、それだけの数の業者さんと何度もやり取りはしたくありませんよね。
そして一番気持ちが重いのが、一つの業者さんに決めたら、他の業者さんにお断りをしなければいけないことだと思います。
私も断りの連絡は苦手です。
「なぜうちではダメなんですか?」なんて聞き返されたら、何と答えて良いか分かりません。
そんなあなたにオススメの方法は、一括で複数社に見積りをしていただけるコンシェルジュサービスの活用です。
11.まとめ
この記事では次の事について解説してきました。
・遺品の整理は心の整理。故人もあなたが前を向いてくれる事を望んでいるはずということ。
・遺品の処分はゴミ屋さんではなく、専門の遺品整理業者さんに依頼した方が良いということ。
・業者さんの選定には、
①資格や免許があること。
②見積りをちゃんと出してくれること。
③清潔感があり誠実であること。
以上が大切ということ。
・遺品は買い取っていただいたり、寄付をするなど活かすこともできるということ。
・遺品整理業者さんを選ぶ時は、相見積もりが大変重要ということ。