死んだ人の物はどうすれば良い?遺品整理は誰がどうやるのか解説。

一人暮らしの部屋の写真 遺品整理

死んだ人の物はどのように片付ければ良いのでしょうか?

死んだ人の物は、すべて遺品と表現します。遺品は適切な時期に適切な方法で整理をしていくことが大切です。

遺品整理とは、ただ片付けをするだけでなく、死んだ人の物つまり故人の遺品を、重要な物やそうでない物、そして物によっては売却できるものなどを仕分け、処理していくことです。

遺品整理はもちろん自分達でもできますが、基本的には業者さんに依頼することをオススメします。
その理由は、1人の人間が生きてきた荷物の量は、想像以上に膨大である場合が多いからです。

ちょっと想像してみてください。
冷蔵庫、洗濯機、テレビ、ベッドや布団、ダイニングテーブルやタンス、そして衣服。
小さな1Rの部屋だとしても、それなりの物量があることが普通です。
これらを片付けようと思えば、かなりの労力が必要だということはイメージできると思います。

また、賃貸であれば、退居期限のことや現状回復のことも考えなければいけません。

この記事では、死んだ人の物をどうやって片付けていけば良いのかについて詳しく解説していきます。

この記事でわかること
・死んだ人の物を片付ける、遺品整理とはどういうことか
・遺品整理は誰がいつまでにやらなければいけないか
・遺品整理の注意点や手順
・失敗しない業者の選び方

遺品整理の費用について詳しい記事はこちら>遺品整理 費用

死んだ人の物を片付ける。遺品整理とは?

遺品整理イメージ

死んだ人の物は、遺品と言います。

遺品というとあまり聞きなれない言葉かもしれませんね。

同じ「遺」という字を使う言葉としては、遺族という言葉があります。
亡くなった人の家族のことを遺族と言いますが、こちらの方が割と耳なじみがあるのではないでしょうか。

遺品とは亡くなった人が持っていた物の全てを指し、故人の物で残されている物は全て遺品です。

遺品整理とは、その残されている死んだ人の物、つまり遺品を整理する行為のことを言います。

遺品整理という言葉が広まり始めたのは比較的近年のことです。

今までであれば、残された家族が亡くなった人の物を整理をすることは当たり前のことでした。
そのため、特に遺品整理という言葉が広まることもなかったのです。

また、その遺品整理をする家族が複数人いたり、同居しているケースも多かったために、遺品整理という言葉がメジャーになる理由がなかったのです。

高齢化のイメージ。車いすの老人

ところが、現代の日本社会は超少子高齢化社会です。

亡くなる人も高齢化していますが、残された家族も高齢化しているのです。
しかも少子化のため兄弟の人数も多くありませんし、核家族化で同居もしていません。

そのため、一昔前であればわざわざ「遺品整理」なんて言葉を持ち出すまでもなく、残された家族が遺品を片付けていたのですが、今はそれをする家族が高齢でかつ人手が少ない状態です。

こうしたことから、遺品整理が問題視されるようになり、それに伴い遺品整理という言葉がメジャーになりつつあるのです。

死んだ人の物、つまり遺品は誰のもの?

残された遺品

死んだ人の物、つまり遺品は誰の物なのでしょうか?

遺品は、もともとは亡くなった人の物です。
そして亡くなった人の物は、物に限らず現金や不動産、株など有価証券も全て、一般的には相続人が相続します。

相続人とはほとんどの場合、配偶者や子どもです。

つまり、あなたのお父さんが亡くなって、お母さんが存命なら基本的にはお母さんが相続人となり、お父さんの遺品を相続します。

お母さんがすでに他界されているのであれば、子どもであるあなたが相続人となるでしょう。
※相続に関する厳密な話は割愛します。

いずれにしても、死んだ人の物が良い物であれ、悪い物であれ、価値のある物ない物様々ですが、全て相続した人の物になるのです。

もちろん、相続放棄と言って亡くなった人の財産(物もお金も)を受け継ぐことを拒否(放棄)すれば、引き継ぐ必要はありません。

死んだ人の物を片付けるのは誰の役目なのか?

悩む女性

故人の遺品を片付ける義務があるのは、故人の遺品を相続した人になります。

たとえそれが、あなたにとって必要のないゴミばかりだったとしても、相続した遺品には違いありません。

今は本当に色々な事情の方がいらっしゃいます。

例え親子であったとしても、完全に絶縁状態の方もいらっしゃいます。
実の親が先に亡くなり、叔父や叔母の面倒を見ている人もいます。

そうした方の遺品を「なんで私が片付けなければいけないの?」と思われる方も多いと思いますが、あなたが相続人で、相続すればその片付けの義務も発生してしまうのです。

遺品整理はいつまでにやらなければいけないのか?

遺品整理のタイムリミット

さて、遺品整理はいつまでにやらなければいけないのでしょうか?

実は遺品整理にいつまでという期限はありません。

ただし、次のケースに該当する方は注意が必要です。

①故人が賃貸住宅に住んでいた場合
②相続放棄するか迷っている場合

それぞれ詳しく解説します。

①故人が賃貸住宅に住んでいた場合

賃貸アパート

故人が賃貸住宅に住んでいた場合は、なるべく早く遺品整理をした方が良いでしょう。

理由は簡単です。
家賃がかかり続けるからです。

住んでいた人が亡くなっても、通常はすぐに賃貸契約が解約されることはなく、相続人がいればその契約は相続した人が引き継ぐことになります。

そのため、あなたがもし相続人であれば、故人の住んでいた部屋の家賃を払い続けることになってしまうのです。

そのため、賃貸住宅に住んでいた場合は、一刻も早く遺品整理をして退居することをオススメします。

②相続放棄するか迷っている場合

相続放棄のイメージ

次に、相続放棄するか迷っている場合も期限があります。

相続は、亡くなった日から3ヶ月以内に、どのように相続するか、または相続をしない(相続放棄)か決めなければいけません。

3ヶ月を過ぎてしまうと単純承認したとみなされ、死んだ人の財産(お金)も相続することになります。
困ったことにそうした遺産は、プラスの資産ばかりではなく、借金などマイナスの物もあるのです。

そのため、相続放棄を考えるのであれば、3ヶ月以内に決断をしなければいけません。

決断した結果、相続放棄をした場合は、逆に死んだ人の物を勝手に処分すると問題になることがありますので、これはこれで注意が必要です。

いずれにしても、死んだ人が賃貸に住んでいる場合と、相続放棄をするかどうかの判断が必要な方は、あまりゆっくりしている時間はないと思った方が良いでしょう。

遺品整理を行うと良い3つのタイミングとは

数字の3を持つ女性スタッフ

実際に、遺品整理を行うと良いタイミングはいつかあります。

前述したように、賃貸住宅だから早く片付けなければいけないという理由もあります。
また、相続を決定しなければいけないというタイミングもあるでしょう。

しかし、そうした問題がなければどんなタイミングが遺品整理を行うのに適しているのかということを3パターンほど解説します。

遺品整理を行うと良いタイミング。その①

まず一つ目のタイミングは、葬儀が終わった直後です。
その理由としては、

  • 大変ですが、一気に終わらせることが出来る。
  • 他の遺族や親戚が集まっているので、色々と確認をしやすい。

葬儀や死亡後の手続きなどの大変なことがいっぺんに押し寄せますが、大変続きで一気に済ましてしまうのも一つの手段です。

特に、故人の家が持ち家などであれば、タイムリミットがありません。
つまり、絶対的に急ぐ理由がないため、どんどん後回しになってしまう可能性があります。

特に喜んでやりたい作業ではないため、本当にいつまでたっても進められない可能性も出てくるでしょう。

一つ注意点としては、バタバタとした中での手配や作業になりますので、知識不足や準備不足による失敗があり得ることでしょう。

遺品整理を行うと良いタイミング。その②

2つ目にオススメのタイミングは、49日(忌明け)法要が終わった直後です。
一般的な仏式の葬儀を行えば、通常は49日で忌明け法要という法事を行います。

この法事は、葬儀後の法事としては一番重要なものなので、遺族や親戚が再度集まる機会になります。

そこで相談を行い、その後なるべく早い段階で遺品整理を行うのも良いでしょう。

葬儀から一定の時間が経過していることもあり、「片付けなければ」という気持ちの切り替えも出来ているでしょうし、逆に片付けることによって気持ちの整理にも貢献します。

準備期間もある程度取れると思いますので、自分達で行うにしても、業者さんに依頼するにしても、それなりに失敗なく進められる可能性が高いと思います。

遺品整理を行うと良いタイミング。その③

3つ目のタイミングとしては、故人が亡くなってから3ヶ月以内です。

遺品整理は必ずしも相続とは関係がありません。
もちろん、相続放棄をすれば別です。

しかし、どのような相続方法を選ぶかは、故人の財産がどれくらいあるのかを把握する必要もあるのです。

故人の財産を把握するには、

  • どれくらいの資産があるのか
  • どれくらいの借金などマイナスの財産があるのか

この2項目をしっかり確認しなければ、本来は決められないことです。

特に借金などは、家族にもナイショでしている可能性もありますので、深く調べずに単純承認をしてしまうと、大変なことになってしまう可能性もゼロではありません。

相続をどうするかを決めるタイムリミットは3ヶ月です。

ですから、この3ヶ月にあわせて故人の遺品整理を行い、財産目録を作成して、相続の方法を決められると良いでしょう。

また、あまり延ばし延ばしにしてしまうと、本当に何年もそのまま放置してしまう可能性もあります。

その意味でも、3ヶ月以内に遺品整理を行い、家族の気持ちを前向きにしていくことは大切なことだと思います。

遺品整理業者さんに頼む前にやるべき3つのことと実際の作業内容

3ステップのイメージ

死んだ人の物を片付ける、つまり遺品整理を業者さんに依頼しようと思った方は、ぜひこの記事の続きを読んで頂いてからどうするか決めてください。

依頼する手順や方法を間違えると、とても損をしてしまう可能性もあります。

そして遺品整理は、自分達でも出来ないことはありません。
このあとご紹介する内容を読んでいただき、業者さんに頼むか、それとも自分達で行うか判断して頂いても良いと思います。

計画と役割分担

まず最初にしていただくと良いのは、遺品整理をすすめる計画と役割分担を作ることです。

計画とは、

  • いつまでに済まさなければいけないか
  • 自分達でやるか、業者に依頼するかを決める
  • 自分達でやる場合は、作業の分担や費用の負担を決める
  • 業者に依頼するとしても、自分達ですべきことをいつするか

このような事を家族で相談していく必要があります。

もし残された家族があなた1人だけであれば、もちろん自分だけで色々決めていって構いません。
しかしそれでもいつまでに済ますかという目標は設定して、色々な手配を逆算してすすめていくことが大切です。

他に兄弟など家族がいる場合は、作業や費用の負担について最初に話し合っておくことで、スムーズに遺品整理の作業が進みますし、無駄なストレスも発生しないでしょう。

遺言書やエンディングノートの捜索

遺言書の有無

スケジュールや作業分担などが決まれば、まず最初にすべきなのは遺言者やエンディングノートといった、故人の遺志を確認できるものがないか探しましょう。

特に遺言書は相続の問題にも関わってくることが多く、かならず捜索はするようにしましょう。

エンディングノートについては法的な効力はありませんが、故人の遺志を尊重できる部分はしてあげるべきだと思いますので、もし見つかれば家族みんなで確認すると良いでしょう。

なお、遺言書については、①公正証書遺言、②自筆証書遺言、③秘密証書遺言の3種類がありますが、この中でその場で開封しても良いのは、①の公正証書遺言だけです。

公正証書遺言以外の遺言書は、家庭裁判所で検認が必要になりますので注意してください。

重要書類や貴重品の捜索

年金手帳

次に探すのは、契約書や年金手帳、通帳・印鑑、公共料金の支払い明細などの書類や証書の捜索です。

後々の手続きなどで必要になる場合が多いので、しっかり探すようにしましょう。

また、現金、宝飾品などの貴重品も、この段階で探すことが大切です。
特にある程度高齢の方ですと、タンス預金をしている方は非常に多くいらっしゃいます。

ある遺品整理業者さんによれば、現金が出てくる確率はほぼ100%だそうです。

現金以外にも、指輪、ネックレス、ブランド物の財布やバック、高級腕時計、最近は国産のウイスキーなども物によっては高値が付きます。

そうした換金性のある遺品の捜索も、しっかり行うと良いでしょう。

遺品整理の作業内容をざっくりご紹介

不要品の山

上記の3項目が住むと、次に不用品と必要な物を仕分け、それぞれ処分するなりリサイクルショップに持ち込むなどして整理していきます。

たいていの物はゴミとして処分することになりますが、家具、年式の新しい家電、スマホ、PCやタブレットなど、状態が良かったり物が良ければ売れる物はけっこうあります。

不用品の処分は、地域のゴミに出せる物は出します。
簡単に捨てることができない大型な処分品については、不用品改修業者さんに引き取ってもらったり、自分達でクリーンセンターなどに持ち込むなどして処分します。

家電の中でも家電リサイクル法に指定された4品目は、家電量販店や適切に処理していただける業者さんに依頼するようにしましょう。

清掃したキッチン

室内の片付けが終わりましたら、次は清掃です。

特に賃貸住宅の場合や、持ち家であっても誰かが住む、賃貸住宅として貸し出す場合はしっかりと清掃することが必要です。

以上が遺品整理の手順とやるべき内容です。

実は遺品整理業者さんに、最初の「捜索」の部分から全部をお願いすることもできます。

しかし、遺品整理にまつわるトラブルや納得できないことが多いのも、この捜索の部分になります。

そのため、自分達でできるならば、貴重品の捜索はまず自分達で行うことをオススメします。

もちろん、遠方であったり、そんな貴重品があるような状態でない場合は、全てを遺品整理業者さんにお願いしても大丈夫です。

失敗しない遺品整理業者さんの選び方

それでは最後に、遺品整理を業者さんに依頼する場合の、失敗しない方法について解説したいと思います。

今までの内容を読んで頂いて、「自分達でやれそうだから大丈夫」と思った方は読み飛ばしていただいて結構です。

でも、
・自分達でするにしても、そんな時間も体力もない
・作業道具や処分費、トラックのレンタカーなどある程度費用がかかりそう

そんなふうに思われるのであれば、業者さんに依頼することをオススメします。

たとえ話で恐縮ですが、たとえワンルームの部屋でも、引っ越しする時は引っ越し屋さんに依頼しますよね?
理由は、頼んだ方が圧倒的に楽だし早いし確実だからです。

もちろん、自分達でも出来ると思います。
でも、トラックなど車を借りて、重たい冷蔵庫や洗濯機などを運び出して…

かかる労力や時間を考えれば、プロに任せた方が良いと判断すると思います。

遺品整理も同じです。

1人の人が生活していた空間は、思っているより多くの荷物が詰め込まれています。

「ボチボチやれば自分達でも片付くだろう」
と始めたはいいけど、終わりが見えない作業に呆然としてしまう方は少なくありません。

遺品整理業者さんは、捜索、片付け、処分、清掃まで専門のスタッフが一気にやってくれます。
もちろん、費用はかかりますが、自分達でおこなってもタダでは出来ません。

さて、肝心の失敗しない遺品整理業者の選び方ですが、それは、

複数の業者さんに相見積もりを依頼する

これが一番間違いない方法です。

もちろん、
複数の業者さんなんて知らないよ。
何カ所も連絡して見積もりを作ってもらうのは面倒。
断りを入れるのは苦手。
そんな心配もあると思いますが、そこは大丈夫です。

無料で複数の業者さんに相見積もりを依頼できるサービスがありますので、そうしたサービスを有効に使いましょう!

遺品整理は、現場の状況や荷物の量によって金額が異なります。

業者さんのホームページなどに記載されている金額は、最安値か、よくて平均価格です。
たいていは安く見せかけるために〇〇万円~と記載されています。

同じ2LDKだとしても、家によって広さも荷物の量も違いますからね。
実際の料金は、見積もりをしっかりとってみないと分からないのです。

また、業者さんによって料金に含まれるサービスの内容が異なることもありますので、単純な金額だけで比較はできません。

ですから、必ず事前の相見積もりが必須なのです。

死んだ人の物はどうすれば良い?についてのまとめ

この記事では、下記の事について解説してきました。
①死んだ人の物を片付ける、遺品整理とはどういうことか
②遺品整理は誰がいつまでにやらなければいけないか
③遺品整理の注意点や手順
④失敗しない業者の選び方

簡単にまとめます。
①遺品とは死んだ人の物全てを指す言葉。

②遺品整理は相続した人が行う。期限に決まりはないが、遅くとも3ヶ月以内が望ましい。

③遺品整理は、まず計画。そして貴重品の捜索。そして不用品などの処分。最後に清掃。

④業者選びは、必ず複数の業者さんに相見積もりをとっておこなうこと。

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