遺品整理を業者さんに頼もうと思っているあなたは、実際に遺品整理がいくらかかるのか心配されていると思います。
遺品整理は、なかなか普段から利用する物ではないので、料金の相場も良く分からないでしょうし、適正価格も分からないと思います。
結論から申し上げれば、遺品整理がいくらかかるのかと言いますと、一般的には20万円~25万円くらいが相場となります。
もちろん、家の大きさや遺品の量によっても金額は変わってきます。
処分品の量や、作業のし易さ、清掃にかかる時間によっても異なります。
また、遺品整理がいくらかかったかは、有価物、つまり価値のある物の買い取りがあるかないかでも大きく変わることがあります。
遺品整理の見積り金額が20万円だったお宅でも、遺品の中にピアノがあり、その買い取り金額が15万円だったため、実際の負担は5万円だけというケースもあります。
ですから、遺品整理の費用というのはある程度の基準はあるものの、意外とケースバイケースである事も多いのです。
あなたが、安心して納得の遺品整理をすすめられるように、そして少しでもお値打ちにできるように、さまざまなポイントを解説していきます。
ぜひこの記事を最後まで読んでから専門家に依頼するか決めるようにしてくださいね。
この記事で分ること
・一般的な遺品整理はいくらかかるのか?
・遺品整理にいくらかかったかの事例
・遺品整理費用を抑える方法
1.遺品整理にいくらかかった?事例で金額をご紹介!

まず、一番分かりやすい実際にかかった費用についてご紹介したいと思います。
同じような広さの事例であれば、おおむね似たような金額になると思いますので、参考にしていただければと思います。
事例①
埼玉県和光市 E様
条件:賃貸アパート
1DK
作業時間:約4時間
費用:68,000円
事例②
神奈川県藤沢市 F様
条件:マンション
2LDK
作業時間:約6時間
費用:122,000円
事例③
千葉県野田市 O様
条件:木造2階建て
4LDK
作業時間:2日
費用:435,000円
事例④
栃木県宇都宮市 T様
条件:木造平屋建て
3LDK+屋外物置
作業時間:1日半
費用:328,000円
事例⑤
千葉県習志野市 N様
条件:賃貸アパート
1LDK
作業時間:約4時間
費用:76,000円
事例⑥
東京都多摩市 A様
条件:賃貸マンション
2DK
作業時間:約5時間
費用:82,000円
参考になるような広さのお宅はありましたでしょうか?
ただ、ご注意頂きたいのは、冒頭でも少しふれたように、遺品整理の費用はケースバイケースであることが多いということです。
そのため、上記の事例も参考程度に見て頂きたいのです。
こちらの記事もご参考に>遺品整理にかかる費用を詳しく解説!
次の項以降で詳しく解説していきます。
2.遺品整理にいくらかかるかは、千差万別。

遺品整理がいくらかかるかは、本当にケースバイケースです。
同じ広さの家、同じような生活スタイルのケースだったとしても、全く同じ料金にはなりません。
そこで、遺品整理費用がどのような条件で料金が決まってくるのか、ポイント毎に詳しく解説していきたいと思います。
遺品整理の料金が決まるポイント
- ポイント①_仕分けする遺品の量
- ポイント②_処分する遺品の量
- ポイント③_作業日や時間の希望
- ポイント④_建物の構造や立地条件
- ポイント⑤_買い取り品の有無
- ポイント⑥_オプションが必要か
ポイント①_仕分けする遺品の量
遺品整理の作業は、まず、遺品を残しておく物と処分する物に仕分けをしなければいけません。
また、まだ見つかっていないけど、あるはずの大切な遺品を捜索するという作業もあります。
そうした仕分け作業が多ければ、当然作業時間が増えますので料金が変わってきます。
ある程度自分達で済ませておき、「残っている物は全て処分でお願いします」という状態になっていれば、それこそドンドン運び出していくだけですから、あまり時間はかかりません。
しかし、遺品整理は単なる不用品回収処分ではありません。
大切な家族の、大切な思い出の品ですから、丁寧に仕分け作業をすすめる必要があります。
むしろ、こここそが遺品整理業者さんの仕事と言えるでしょう。
いずれにしても、仕分けする遺品の量が多いか少ないかで、作業時間や必要な人数が変わってきますので、料金の変動理由となります。
ポイント②_処分する遺品の量

二つ目のポイントとして、処分する遺品の量によっても料金は異なります。
簡単に言えば、処分費がどれだけかかるか?ということです。
もちろん、単純な処分費だけでなく、処分する遺品の量が多ければ、それだけその荷物を処分する場所まで運ぶ作業も手間や時間がかかります。
トラックを手配すれば車両費が、運転手も当然必要です。
現場作業員と運転手は兼任のケースが多いのですが、荷物が多くて途中で搬出する場合、トラックが戻ってくるまで現場の人手が減りますよね。
処分する遺品の量が多いということは、処分費だけでなく、輸送費もかかるということなのです。
ポイント③_作業日や時間の希望

遺品整理の作業は、基本的に多くの業者さんが立ち合いなしでも出来るとしていますが、まだ見つかっていない大切な遺品や、高価な物が出てくることも多いため、できれば現場で立ち合いをしていただくか、少なくともすぐに連絡が取れるようにしておいた方が無難です。
過去には、遺品整理の作業中、タンスの中から200万円の現金が出てきたこともありました。
まさに「タンス預金」ですね。
意外に思われるかもしれまんせんが、ご年配の方でタンス預金をしている方はけっこう多いのですよ。
ちょっと話がズレましたが、あなたが立ち会うために、例えば
「どうしても日曜日しか空いていない」
「夕方以降しか時間が取れない」
などといった場合は、通常の時間外作業ということで、追加料金がかかるケースもあります。
また、作業をしてもらって良い時間が限られている場合も同様です。
例えば、あなたや管理者の都合で、通常なら2日かかる作業を1日で終わらせて欲しい、などの要望がある場合です。
このような場合は、作業の時間短縮するために、予定以上の人数を投入しなければいけないのです。
依頼した業者さんに人手があれば良いのですが、手が回らなければ外注のヘルプを頼む事もあります。
そうなれば、予定外の人件費がかかるために、料金が高くなるケースがあります。
ポイント④_建物の構造や立地条件

建物の構造や立地条件によっても料金が変わることがあります。
A.平屋建てでトラックが横づけできる家
B.近隣に駐車スペースがないマンションの高層階
どちらが作業がし易いか、一目瞭然だと思います。
作業のし易さは、作業時間の短縮に繋がります。

特にマンションの高層階では、エレベーターがそもそも狭く、一度に多量の荷物を運べませんし、エレベーターを独占することも出来ません。
夕方の帰宅時間になれば、他の住民の方も頻繁にエレベーターを利用しますので、その間、作業は止まってしまいますよね。
ただ、エレベーターがあればまだマシで、古いマンションやアパートではエレベーターがない所もあります。
建築基準法では、31mまでの高さの建物はエレベーターの設置義務がありません。
階数で言えば、6階前後です。
最近のマンションでは3階程度でも利便性を考えてエレベーターがある場合もありますが、ちょっと古いマンションなどは5階建てでもエレベーターがない所もあるのです。
そして、荷物搬出用のトラックを近くに止めておけるかどうかも、作業効率に大きく影響します。
特に都会のマンションに多いのですが、トラックを長時間横づけしておけない場所もあり、そうした場合は作業効率が悪くなり、作業時間が長くなってしまいます。
ポイント⑤_買い取り品の有無

遺品の買い取りがあれば、買い取ってもらった代金を遺品整理代金と相殺することが可能です。
滅多にない事例ですが、買い取り金額が上回って現金が戻ってくる場合もあります。
そこまでのケースは珍しいですが、数万円~10万円くらいの買い取り額がつくことは、珍しくなく、遺品整理費用の大部分をまかなえる方もいらっしゃいます。
主に買い取りができる物は次の通りです。
- 購入して日が浅い電化製品
- 家具
- 骨董品や趣味の収集物
- カメラ
- ピアノ
- ブランド品
- 貴金属、宝飾品、高級腕時計、着物など
こうした物があって、あなたや他のご家族が、遺品を形見分けで引き継がないのであれば、買い取っていただくことも検討すると良いでしょう。
ポイント⑥_オプションが必要か
遺品整理の仕事は、
- 遺品の捜索や仕分け
- 不用品の回収
- 買い取り
- 清掃
以上が一般的な標準作業です。
業者さんによってサービスに含める内容は異なりますが、下記の内容についてはオプションとして別料金になっている場合があります。
・遺品の供養、お焚き上げ
・エアコンの取り外し
・特殊清掃(孤独死跡、ゴミ屋敷など)
・消臭消毒
・現状回復リフォーム工事
・車やバイクの廃車手続きや売却
・家屋の解体
・害虫駆除
・その他
このようなオプションサービスを利用するかしないかによっても、料金は変わってきます。
3.見積り金額が倍に!形見の品が無くなった!遺品整理トラブルとは

遺品整理にどんな費用がかかるかご紹介してきましたが、次に、遺品整理でおきたトラブルについても少し触れておきたいと思います。
ケース1
見積りをもらって契約したが、高い事が分ったのでキャンセルを申し出たところ、実施予定日まで1ヶ月以上いるにもかかわらず高額なキャンセル料金を請求された。
ケース2
見積り金額に納得して契約したが、後から後から追加料金が必要になり、最終的には当初の倍近くの金額になってしまった。
ケース3
残しておきたかった遺品を勝手に処分されてしまった。
ケース4
あったはずの大事な遺品が無くなってしまった。
ケース5
残しておく予定の大切な陶器のお皿を、作業中に割られてしまった。
このようなトラブルは、実は悪徳業者さんだったから起こるトラブルかと言うと、実はそうではありません。
全ての場合とは言いませんが、依頼主と作業員との意思疎通がしっかり取れていない場合や、依頼主が「そんなことは当たり前」と勝手に思い込んでいたから発生したトラブルの場合もあります。

もちろん、残念な事に中には悪徳な業者さんもいます。
しかし、多くの業者さんはその土地で営業を続けている訳ですから、悪い評判が立つのは良い事ではありません。
特に依頼主にとっては慣れない遺品整理ですから、分からないことが多くて当然です。
不明点があればしっかりと確認することで、事前にトラブルを回避できることもあります。
4.損をしない遺品の売却方法とは

遺品を整理していくなかで、自分達で引き継げない品については買い取りをしてもらう事も出来ます。
もちろん、リサイクルすることができないくらい古い物や、痛んでいる物、価値がまったくない物も多いですから、全てが買い取ってもらえるわけではありません。
さて、もし買い取りをしてもらうとなれば、なるべく高く買い取ってもらいたいですよね。
そこであなたが損をしない遺品の売却方法を解説します。

それは、それぞれ専門家に買い取りを依頼することです。
遺品整理業者さんも買い取りをしてくれます。
しかし、遺品整理業者さんが最高価格で買い取ってくれるわけではないのです。
やはり、餅は餅屋。
例えば時計なら時計の買い取りに強いお店に。
宝飾品なら宝石買い取りの専門店に。
着物もそうですよね。着物専門の買い取り業者さんがいます。
カメラも同様に、カメラ専門の買い取り業者さんがあります。
そうした専門店では、より高度な知識で正確な査定ができることに加え、買い取った品を修繕したり売却するルートを持っているため、一般的には高い買い取り価格を提示してくれる所が多いのです。
ですから、もしあなたが遺品の売却でなるべく損をしたくない、とお考えなら、ぜひそれぞれの専門店に見積りを依頼すると良いでしょう。
自分で売るのは骨折り損のくたびれ儲け?
遺品は遺品整理業者さんに買い取ってもらうのではなく、それぞれ品によって専門店に依頼した方が高くなるケースが多いとご紹介しましたが…
この方法には少しデメリットもあります。
特に家具や家電など大型の品の場合です。
それは何かと言いますと、せっかく自分達でリサイクルショップなどに持ち込んでも、全く査定金額が付かず、最悪の場合「引き取りもしてもらえない」こともあるということです。
まさに骨折り損のくたびれ儲けとなってしまう恐れもあります。
その他の遺品についても、同様の可能性はありますので、よほど高額査定の自信がある遺品ならともかく、手間と時間がかかることを天秤にかけて検討してみてください。
5.なるべく安く済ませたい。遺品整理費用を抑える方法とは。

遺品整理を業者さんに依頼するにあたり、あなたはなるべく安く済ませたいと思っていませんか?
もちろん、それは正しい考えです。
私もそう思います。
では、遺品整理を少しでも安く済ませる方法をご紹介します。
遺品整理を安く済ませる方法その①
出来ることは自分達でやる。
これに尽きます。
遺品の仕分け、分別、自分達で処分できるものについては済ませておく、そして清掃。
そうした出来る範囲の所は自分達でおこなうことで、遺品整理業者さんに依頼する部分を減らすことが出来ます。
それは費用削減に直結します。
もちろん、デメリットもあります。
・時間がかかる
・疲れる
・疲れなどからくるイライラでケンカ
・ギックリ腰などケガの心配
・意外とコストがかかる

このようなデメリットもありますので、自分達の体力やどれくらいの人数で作業ができるのかなども検討しながら、できる範囲で無理せずにおこなうと良いでしょう。
遺品整理を安く済ませる方法その②

複数の業者さんに相見積もりをとる。
現実的には、この方法が一番効果的で良い方法です。
相見積もりは、何も料金を抑えるだけが目的ではありません。
優良な業者さんを見極めるためにも必要なことなのです。
遺品整理業界はまだまだ発展途上であり、前述したようなトラブルも実際にあり得るのです。
そのため、業者さんの選定はしっかりしなければいけません。
業者さんの選定をするためには、まず見積りです。
費用が高過ぎたり、不明瞭な点が多かったり、追加費用が多額にかかるような見積りであれば、その業者さんに依頼することは避けなければいけません。
また、対応してくれたスタッフの態度、言葉遣い、服装などから、どのような姿勢で業務に向き合っているのか見極めるのも大切な事です。
このように、優良な業者さんにお願いするためにも、相見積もりは必須なのです。
もちろん、自分で複数の業者さんを調べて、それぞれに連絡をするのはかなりの手間ですから、相見積もりは無料の一括見積りサービスを利用するようにしましょう。
6.遺品整理がいくらかかったについてのまとめ
遺品整理がいくらかかったのかについてのまとめです。
・一般的な遺品整理の費用は20万円~25万円。
・費用の実例は広さによって様々だが、6万円台~40万円台をご紹介。
・遺品整理の費用を抑える方法は、なるべく自分達で行うこと。遺品の売却は専門店に依頼すること。
・費用を抑えるには相見積もりが一番効果的であること。
・相見積もりでは、金額だけでなく業者さんの姿勢も見ること。
遺品整理はあまりゆっくりしていられないケースもありますので、見積りだけでも早めに手配されることをおススメします。